連載記事「論理について~デカルトに基礎を置いて~」No.4
デカルトが論理学の複雑すぎる諸規則の中から真理探究のために用いる、本当に必要十分だと考えた4規則について、なぜ彼の真理探究法においてそれで必要十分であると考えたか、4規則との関係性を明確にしながら彼の演繹を核心に置く真理探究法を解説します。
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デカルトが論理学の複雑すぎる諸規則の中から真理探究のために用いる、本当に必要十分だと考えた4規則について、なぜ彼の真理探究法においてそれで必要十分であると考えたか、4規則との関係性を明確にしながら彼の演繹を核心に置く真理探究法を解説します。
デカルトが論理学の代わりとして提言した、デカルトの真理探究のための方法(換言すれば未知の発見のための論理学)である4つの規則、方法序説p28に記載されているこの4規則を一つづつ引用して、ソクラテスの問答法と無知の知、批判精神、数理論理学に触れつつ解説しています。
デカルトによる論理学への批判、方法序説p27「まず論理学は、三段論法も他の大部分の教則も、未知のことを学ぶのに役立つのではなく、~」をギリシャ哲学、ソクラテス、合理主義、論理学の起こり、アリストテレスの論理学に触れながら解説します。
論理についての解説をするのに、なぜデカルトなのか、デカルトに基礎を置くのかという話から始めたいと思います。
等しさとは何かを考察してみたいと思います。結論としては、1.等しさにはその等しさの基準が必要であること、2.その基準が集合の要素として対象化されるよりも同値関係のように関係によって定義される方が本質的であること、3.基準のある等しさと同値関係が同じ帰結を得ること、を指摘していきたいと思います。
考えるとはどのようなことでしょうか?何かを考えるということは、複数の対象の関係を考えるということです。そして、対象そのものは本質的には、名前しか持たない「空っぽ」であり、対象の本質は、他の対象との関係によってのみ規定されます。例えば、構造とは対象という識別間の関係によって成立していると言えますし、対象は他の対象によって相対的にしか規定されえないと考えられます。
高校数学で論理を学びにくい理由は、冒頭でも述べましたが、主に命題の基礎に集合を用いてしまっていることにあるだろうと思います。したがって、数学で他分野にも使える論理的思考力を磨きたい人は、集合を使いこなせることはとても大切ですが、一度集合のことは忘れて、まず、命題と推論の関係を意識して数学を学習したり、数学的な議論を行うと良いだろうと思います。まず、命題の論理を使いこなせ、加えて、集合を使いこなせるようになることが大切だろうと思います。
論理とは何かを簡単に紹介します。論理の基本単位は命題です。命題とは、真偽(正誤)が明確に定まる主張のことです。矛盾とは、同じ命題が真でもあり、偽でもあることを言います。論理自体は、矛盾に気を付けて命題を⇒で繋いでいくだけの図にも書ける単純で簡単なことです。例として、対偶の証明を行います。
物事を正確に考えるための方法として、私が考えた知識を対象と関係に分けて考える手法を説明したい。物事を考えるには、対象を明確にし、対象と対象の関係を考察する必要がある。それは、すべての対象は他の対象なくして存在せず、他の対象との関係によってのみ規定されるからだ。さらに、対象と関係は論理という形で表現することもできる。